今日、印刷は紙からデジタル媒体へとその領域が拡がっていますが、その歴史はかつて木版、活版、リトグラフなど多彩な技術を繰り出し、印刷者は自らの技能手腕の全てを注いでインキ、紙、文字があやなす複製芸術を生み、文化をになう印刷物をつくってきました。

 デジタル化印刷でも、その手法はこれらの技術技能を基礎として継承発展されたものでありますが、本来は、かつての工芸性が、メディア文化が、より一層磨かれるべきであり質的魅力を有する作品への挑戦 を果たさなければならないものと考えます。

 当組合では、約33 年前に印刷会館建設以来、印刷博物館構想を有し、グーテンベルグ印刷機(木製レプリカ)を始め、東京光村印刷(株)から寄贈された木版画「孔雀明王像」のほか昔の印刷物及び関連機材を収集または組合員等印刷関連企業の寄贈を受けて若干の所蔵品を有しておりますが、なかでも日本の広告デザインの源流と評せられる燐票を主とする商標類も多く、かつて隆盛であった兵庫県のマッチ工業の昔日を彷彿とさせるものがあります。

 本サイトでは趣味として制作された昭和初期の美麗な木版画による燐票をご紹介し、描画の精緻さ、発色の美しさ等その再現につとめ、当時の燐票同好会が競った技の冴えを現在のデジタル時代に導いて、工芸性回復の可能性の一助として供し、温故知新の追求を試みたいものと願い制作いたしました。

 印刷物の博物館としてまた、教材として役立てて頂ければ幸いと存じます。

  平成15 年3 月
兵庫県印刷工業組合 活性化事業推進委員会
委員長 藤田 久司

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